MolyのBlog

ヒヨコと化したサラリーマン 株式投資がメイントピックのはずだった

2022年1月の読書

こんばんは。

今年の初めに掲げた通り、読書を習慣にすることが目標でしたので本を読んでおります。(2月の最初の週に食い込んだ書籍もありますが)1月に読了した本は下記のとおりです。

 

ミシェル・ウエルベック『闘争領域の拡大』(河出文庫)

エマニュエル・トッド『老人支配国家 日本の危機』(文春新書)

森川潤『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』(文春新書)

松下敏之・高田裕『外資系アナリストが本当に使っているファンダメンタル分析の手法と実例』(プチ・レトル)

ルートポート『会計が動かす世界の歴史』(KADOKAWA)

 

ミシェル・ウエルベック『闘争領域の拡大』

今日読了しました。「闘争領域」ってなんだそれ?というタイトルですが、この「闘争領域」というのは、自由なセックスという価値観は格差、闘争を性の分野にまで拡大したということを含意しています。同作品は3部構成(と言っても長くはない)となっており、主人公とともにフランス国内を出張するブサイクな男ティスランを描く第2部がメインの部となっています。彼を通して、性の自由化の帰結である「闘争領域」の悲惨な一面を突きつけます。

ティスランは容姿の最悪な男なのですが、なんとかして常に女性と関係を持とうとナンパを繰り返しながらも失敗ばかりする、「闘争領域」の底辺にいる存在です。彼はクラブハウスからセクシーな女の子を連れ出すモテ男をナイフで殺害するという凶行に及びそうになりますが、彼はそれは無意味だと押しとどめて再び「闘争領域」の中で戦い続けようとします。

この一連の流れの中で見られる、ティスランの欲望・嫉妬に対する正直さと、秩序(「闘争領域」における)に対するある種の誠実さに折り合いをつける流れは少し心を打たれました。非モテに属する者は性への欲望と、それが叶わない現実の間で折り合いを付けないといけません。ティスランは幾分かドンキホーテ的ではありますが、一つの答えであると思いました。私はやろうと思いません。

この本はティスラン以外にも見どころがあります。デブでブスのブリジット・バルドーの話には笑ってしまいました。読めて良かったという書でした。

 

エマニュエル・トッド『老人支配国家 日本の危機』

EU・ユーロは現実を無視した無理な帝国、日本は移民拒否しすぎ、といういつものエマニュエル・トッドでした。最後に直系家族がどうのという話題がありましたが、もっとそこを掘り下げた構成にしてほしかったです。

 

森川潤『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』

2021年前半ぐらいまでの脱炭素の趨勢をまとめた本です。国際政治・エネルギー・自動車・金融・農業・工業についてバランスよくまとめられており、勉強になりました。

 

松下敏之・高田裕『外資系アナリストが本当に使っているファンダメンタル分析の手法と実例』

タイトルの通り、機関投資家が実際にやっている企業分析について書いた本です。配当割引モデルDDM)の紹介があり、それに基づいて企業価値を算定するという流れです。自分でもやってみたいという気持ちはあるのですが、実際にやるのは調査に力を入れねばならず、かなり骨が折れそうです。まあそれが「投資」ということなのでしょうが。

 

ルートポート『会計が動かす世界の歴史』

会計の歴史の本です。歴史読み物として結構面白く読めました。ジョン・ローに騙されたフランス、新大陸で得た富を散在するスペインあたりは顛末が非常に残念で笑えます。ちなみに、著者のルートポートというのは外国人名ではなく、日本のブロガーのハンドルネームです。

 

このようにブログ記事を書いてみましたが、ウエルベックに労力を割いて尻すぼみになった感が否めません。ちなみに、2021年は1年で2冊しか読んでいませんでしたので、今後もこのペースで行けるかは不明ですが、何かしら読んでいきたいと思います。

 

それでは。