MolyのBlog

ヒヨコと化したサラリーマン 株式投資がメイントピックのはずだった

4月のまとめ

こんばんは。いつもの読書のまとめです。

 

戸谷洋志『NHK100分de名著 ハイデガー 存在と時間 』(NHK出版)

久しぶりに思想ジャンルに手を広げてみようかと思って読みました。倫理で習った以上の知識がなかったので、読み物にはちょうどよかったです。

 

辻田真佐憲『天皇のお言葉 明治・大正・昭和・平成』(幻冬舎新書)

明治・大正・昭和・平成の天皇の語録とその背景を説明した書。昭和天皇のあたりの戦争関連の生々しいやりとりが興味深かったです。

 

濱口桂一郎『ジョブ型雇用社会とは何か ー正社員体制の矛盾と転機』(岩波新書)

最近ジョブ型雇用が話題だしな、という軽い気持ちで買ったのですが、現代の日本の雇用形態(メンバーシップ型雇用)が特殊なものなのかを網羅的に説明してくれる良書でした。何か特定の仕事をやってくれる人を採用するジョブ型雇用に対して、会社にとってふさわしい人間を選んで採用するメンバーシップ型雇用では、根本的に社会設計レベルから異なるので小手先の制度変更でどうにかなる話ではないというのが良く分かりました。また、法制面もジョブ型雇用の法制度なのにメンバーシップ型雇用の社会にあわせて裁判所が判決を出しているとか複雑極まっていてまるで巨大なキメラのようです。

長期の固定負担を理由にした賃上げ抑制、会社の統治機構の一部と化した労組の機能不全、共働き化する家庭と転勤の問題、女性のキャリア形成、など、メンバーシップ型雇用の短所が噴出する現代に生きていて、雇用は改憲と並ぶレベルで国民的な議論が必要な分野じゃないかなあと思います。

 

100分de名著は4-5年ぶりに読みました。大学の時はたまに番組のほうも見ていたのでなつかしいです。今月はアリストテレスのニコマコス倫理学らしいので、それも読みたいと思います。

 

それでは。